原田観峰(1911-1995)

 原田観峰氏(1911-1995)は本名を孝太郎といい、また六字斎とも号しました。幼い頃より書の研鑽に励み、戦後書家として活躍するとともに、書道教育の振興を目指し、「財団法人(現・公益財団法人)日本習字教育財団」を創立しました。また書を通じて海外の人士たちと交流し、その成果を広く人々に伝えるため、世界各地の文字資料をはじめアフリカ・オセアニアの民族資料、欧米の家具・調度品など多岐にわたる資料の収集にも情熱を傾けました。特に中国の拓本・法帖・文具や清朝後期から民国時代を中心とする書画のコレクションは、約20,000点におよぶ膨大なものです。

 観峰コレクションは、書家として、また教育者として世界の文化を紹介したいという理想が、形を成した大変にユニークなものといえるでしょう。

何紹基 《行書孫承沢庚子銷夏記語》 清

陶冷月 《夜景図》 近代